ESigning

あまり馴染みのないスペルなものの、よく見たらE-Signなので大体の想像はつきましたが、先ずはDescriptionを読みます。

Get documents signed and returned quickly without the need to print, sign, fax or scan and email. No need for prospects to have special software.

注文書/契約書を印刷して、それに署名してFAXで送ったり、或いはスキャンして電子メールに添付して送信するなんていう面倒なことはせずに、画面上で文書に署名してすぐに返送できます。また、その際に顧客側が特別なソフトウェアを用意する必要もありません。

私が駆け出しの頃は口頭注文で段取りに走るなんてことがありましたが、今日では許される筈がありません。

 

それに、書類を交わすにしても、複写式の注文書を客先に持参して、ゴム印、角印を貰って、更には、同様に上席の責任者が捺印した注文請書を後日郵送、或いは持参するなんてことをしていました。

 

でも広いアメリカで、そんな仕方をするわけはないでしょうし、日本国内の中小企業でも全国レベルで取引をしている場合は、ESigningが必要になるのでしょう。

 

久しぶりに冒頭から脱線しましたが、Typical Functionalityに戻ります。

Sending documents to one or more parties for signing

(署名してもらう文書を複数の関係者に送付する)
Tracking who has and hasn't signed
(署名済みは誰なのか、未だ署名してくれていないのは誰なのかを追いかける)
Automatic distribution of signed documents
(関係者の署名済みの文書を必要な部門に自動的に送付する)

これだけでは少し分かり難いかもしれないので、当ブログなりに補足します。

 

日本国内の中堅以上企業の場合には、上申の段階で各部門の合意がとれているので、稟議が下りた後は資材/購入部門との最終交渉を経て注文する品名、金額、支払い条件、納入時期などを記入した注文書が発行されます。


しかし、支払い担当(経理部門)や法務部門等も含めた関係部門との合意を取る必要がある場合には、一番目の機能が役立つでしょう。

 

もっとも客先の特定部門の責任者の考えが変わったり、或いは不在の場合は何処で止まっているのかを確認することとなるので、二番目の機能が必要となります。

 

そして目出度く注文書が発行された暁には、成立した契約書/注文書(或いは、注文請書)を客先の関係先だけでなく、注文を受ける側の関係部門にも送付する場合には、三番目の機能は便利です。

 

以上から大体のことは分かったと思いますが、有難いことに、

の一つ目に紹介されているSignNowについて、TextCortexさんが、

SignNowは、 電子署名を作成・投下し、必要な時に簡単に入手できるeコマースツールです。例えば、クライアントが何かサインをする必要があるときや、ベンダーとの間で書類にサインをする必要があるときに、SingNowを使うことができます。 

と日本語で説明してくれていて、実際の使い方や効能として、

SignNowを使えば、文書をダウンロードして手動で署名する時間の無駄がなくなります。いつでも数秒で素早くデジタル署名を入れることができます。何より、署名には 法的拘束力があるので、法的価値のない署名を作る心配がないのが魅力です。

も挙げてくれています。

 

では、何故書類を交わすことが重要になったかですが、今から30年前の所謂バブル期あたりまでは、いい加減な取引があったのは事実です。

 

会社によって売り上げ基準がバラバラで、受注したら納入していないのに売り上げに計上するのも珍しくありませんでしたし、受注できていないのに芋判を自作して勝手に架空の注文書を作成した某中堅メイン・フレーマーの話を聞いたことがあります。

 

もっとひどい場合として、架空の会社向けシステムを販売会社経由で受注したことにしたケースや納入先を紹介することを条件に販売会社に注文書を出させて在庫を押し込んで特別ボーナスを貰ってトンズラ退職した営業マンなんていうのもいました。

 

当然時間が経てばバレるので、各社で盛大に売り上げの取り消しや穴埋めをすることになったわけです。

 

その後は管理がより厳格に伴って契約の書類化を推し進めたのでしょうが、一方で世界的に著名な某専用メーカーの米国内の事業所では、正式な本契約書とは別に所謂サイドレター(には「いつでも解約返品が可能です。」と記載されている。)の乱発が横行したこともありました。

 

他の業界に於いても飛ばしや架空取引により不良債権が問題化したのと同じ頃です。

 

結果、営業さんへの縛りが益々厳しくなったわけですが、逆に真面目に仕事に取り組んでいる営業さんの面倒なことを手助けをしてくれるE-Signが登場するキッカケになったのかもしれません。