Value Selling ROI

20年以上前に参加したカンファレンスで、“ROI Calculator”のデモを見たことがありました。

 

システム構成と導入費用(主に外部からの購入費用総額)を入力すると、その効果を算出できるという単純な作りでした。

 

今更言うまでも有りませんが、ROIとは、

「Return On Investment」の略で、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標

だとNECさんが説明されている通リです。ただ、当時は金融・投資分野の用語のイメージでしたし、「こんな計算機を誰が信じるのか?」とも思っていました。

 

それに、実際の商談で、顧客に稟議書に導入効果を書いてもらうにあたっては、業務フロー、必要工数を元にコストを算出したり、色んな資料を漁りながらアレコレ考えて行っても、最後はエイヤッーで「××倍の導入効果」とすることもありました。

 

しかし、考えてみるとシステム導入も投資なわけで、信頼性があって簡単に使える計算式があれば都合が良いのかもしれません。

 

一方で、Value Sellingについては、Indeedさんが、“What is value selling?”について説明していて

https://www.indeed.com/career-advice/career-development/value-selling

making it clear to a customer how a product can increase their revenue or improve their life. 

すなわち、

提案している製品を導入することで、どれだけ収益が増えるのか、或いは生活を改善したりできるのかを顧客に明確に伝えることです。

とし、更には、

salespeople can use value selling with any kind of customer to build a relationship with them and increase the likelihood of a sale.

つまり、

営業担当者は、あらゆる種類の顧客に対してバリューセリングを使用して関係を構築し、販売の可能性を高めることができます。

とも言っています。

 

どこの営業さんも提案する製品/サービスの効能を説明している筈だと思うのですが、逆にユーザー側からは、単なる御用聞きに来ているだけと思われているのかも知れません。

 

前振りが長くなりましたが、そろそろComplete Guide to SalesTechで紹介されているValue Selling & ROI Quantification

のDescriptionを読んで行きます。

Quickly and easily quantify the economic impact to the customer - present various hypothesis and use-cases that are then translated into economic benefit.

ということは、

提案している製品を導入することで顧客が得られる経済的効果を迅速かつ簡単に数値で示します。そして、導入後の運用イメージや他社での事例を示し、どれだけの見返りがあるのかを具体化するわけです。

と今回も大盛にしてみました。

 

また、Typical Functionalityは、

Web ROI calculator tools
(ウェブで動作する ROI計算機)
Value realization tools and summary documents
(導入効果を達成する為のツールと概要をまとめたガイダンス資料)
Industry metrics research and comparison
(業界別データの調査と他社比較)

といったところでしょう.

 

此方も少々過剰サービスしていますが、先の図のの4つめのecosystemsでは、

From sales to customer success, Ecosystems' SaaS platform ensures you never talk cost before connecting on value.

と説明しています。

 

恒例の超意訳&要約をすると、

製品の導入で成果を上げるまでをEcosystemsが対応するわけで、導入費用が幾ら掛かるとかよりシステムが生み出す価値が大事なんだよ

みたいなところでしょう。

 

全員とは言わないものの「今なら割引キャンペーン実施中」みたいな提案で顧客の気を引こうとする営業さんが多いのかもしれませんが、それとは真逆の同社の姿勢が功を奏しているのか、導入企業には、Google、Hewlett-Packard Company、Autodeskといった日本でも良く知られた著名企業が並んでいます。

 

でも、何時の時代も「御用聞き」や「割引価格」よりも製品/システムの導入効果で勝負するのが本来なわけで、Value Selling ROIが、そういった方向に後押しするのかもしれません。