遂にCLOSEの段階となりました。
オンライン辞書には、
合意に達する、折り合いを付ける、契約が成立する
と書いてありますが、「受注」で良いですね。
営業の様々な活動の中心はEARN段階迄で、顧客内での稟議を経たら購買・資材部門に出向いて値切られるという関門を迎えることとなります。
だからと言って安心してよいかというと、最後の最後でひっくり返されることもあるので、注文書を受け取る迄は手を抜けません。
首尾よくCLOSEして担当のエンジニアに引き継いだら、導入現場との調整と先々のEXPANDに向けての活動が始まります。
このEAPANDとは、一般には、英辞郎の一番目に挙げられている、
〔大きさ・数量・程度などを〕大きくする、拡大する、拡張する
なのでしょうが、私が使っている別の辞書には、
拡大〔発展〕して・・・になる
の用例に、
His restaurant business has expanded over the years into a nationwide chain.
と紹介されています。
つまり、一件の受注を足掛かりにして、全面展開に向かう段階がEAPANDなのです。
実際に、各現場の方と話をする中で色んな状況が見えてきます。
「ここの部門にも提案できるのではないか?」「○○部門は、ハイエンドモデルの方が良かったのではないか?」
こんなことを考えながら、顧客の社内向け、更には同業他社向け/業界全体向けに広げる方法を考えて行くわけです。
ですから、顧客側での導入効果を確認できた段階で即座にEXPANDに移れるよう、日頃に準備が欠かせません。
ところで、今更言うまでもありませんが、
PRIORITIZE ⇒ ENGAGE ⇒ EARN ⇒ CLOSE ⇒ EXPAND
とは、営業活動のプロセスそのものです。
実際の営業の現場で、どこまで徹底できるかは別にしても、工場における製造工程のように進めることで活動の精度は高まるという考え方でしょう。
営業さんによっては、聴牌即リーチツモ的な動きをする人もいますが、商談を育てながら確実に受注していくのならプロセスが大事なのですね。
尚、その下に並んでいるのは、
- Contract Proporsals & RFPs
- Configure,Price,Quote,Invoice
- Unified Customer View
の3つです。
それぞれ営業活動に必要なツール類ということで、具体的に見て行く段階で内容を確認します。
ところで、私が若い頃に一緒に仕事をした他社の方の話です。
その方は、EARNに目途が付きつつある段階で、事務方も含めて関与してきそうな部門を全て回っていました。
例え少額な案件であっても、場合によっては地方の支店や事業所まで足を運びます。
反対意見を唱える人がいたら、提案の主旨を理解して貰う為の努力を惜しみません。
そこまで対応して貰えるので、発注側の担当者が助かるだけでなく次も頼ってしまいます。
当然、CLOSEする前に受注が見える状態となります。
ですから、いつも期の初めには予算をクリアの目途が付いていたとのことで、元々在職しておられた世界的に有名な某社でも辣腕営業マンとして有名だったそうです。
私も見習って営業活動をしましたが、とても及ぶものではありません。
それでも、例えば守衛さんとも仲良くなって、競合他社の動きや誰を訪ねているのかを教えて貰って助かったこともあります。
誠にセコイ話ですし、今日では認められないであろうことは言うまでありません。
今回も最後に脱線してしまいましたが、各プロセスを踏みつつ、常に次のステップに向けた活動も先行的に並行して行くことが大切なのだと今でも改めて思った次第です。